表層・顕在意識と深層・潜在意識(「言葉の世界」と「イメージの世界」)

初めに、今回は、「表層・顕在意識と深層・潜在意識(「言葉の世界」と「イメージの世界」)」について述べていきたいと思います。

ここで、意識とは、人間の持つ心や記憶といったものの総体のことでした。

ところで、「表層・顕在意識」とは、一般に我々人間が自覚している意識のことで、この意識の中では言葉によって物事を処理して表現しています。

対する「深層・潜在意識」とは、我々人間が自覚できていない意識のことで、この意識の中では主にイメージによって物事を処理して表現しています。

したがって、人間が視覚を通じて得た情報については、先ずは、深層・潜在意識がこれを受け取って、この情報を処理・加工します。

そして、次に、表層・顕在意識がこの情報を引き継いで、これを言葉に置換・変換します。

つまりは、「イメージ」→「言葉」という流れ・順序です。

これが外界を認知や認識する際の過程であり、記憶の過程でもあります。

※記憶の過程では、元のイメージと、これから生成・派生する言葉も意識情報として保存される。

以上のことは、意識の中の「辞書」の編纂・作成に当たる行為・活動ですが、これとは反対に、この辞書を逆引きして、言葉からイメージを引き出す行為・活動を一般に「創作行為」や「創作活動」と呼びます。

※ちなみに、深層・潜在意識による過程・段階は「情報の符号化」であり、表層・顕在意識による過程・段階は「情報の記号化」である。

人間の外界から受け取る原始情報が「イメージ」であり、これを置換・変換したものが「言葉」でしたが、このことを別の観点から観ると、イメージこそが、この世界にあふれている事実の写し取り(=写像)であり、これは意識の情報処理過程においては具象的な存在です。さらに、これから「言葉」が生成・派生されるのであり、これは意識の情報処理過程においては抽象的な存在となります。

最後に、まとめると、「イメージ」=「具象的」、イメージは「帰納法」で表現され、取り扱われる対象となり、これに対するは、「言葉」=「抽象的」、言葉は「演繹法」で表現され、取り扱われる対象となります。