二項対立の成立・形成過程(医者と患者の関係性)

初めに、ここから「作用&反作用(≒原因&結果)の法則」と「主体&客体の関係(性)」について解説します。

医療の例でいえば、医者と患者はお互いに対極の関係にあります。

当然ですが、医者は患者を治療しますし、患者は医者に治療されます。

この場合、医者(a)が主体であり、患者(b)が客体です。医者は患者に治療を施します。患者はその対価としてお金を払います。

※(a)は(b)に一定の働きかけをする(=作用を及ぼす)。かつ、(b)は(a)に働き返す(=反作用を及ぼす)。

※しかし、事の始めに、患者は医者に治療を依頼しているため、本来は、患者(の立場)こそが主体であり、依頼される医者は客体であるはず。

※つまりは、患者は医者に依頼をする。対する医者は患者の依頼に応える。これが本来の順序である。

ここで「医療」とは、医者と患者の互いに立場の異なる二者が同時にいてこそ成り立ちます。

加えて「作用&反作用」の働く局面では、互いに立場の異なる二者は「主体&客体の関係(性)」になります。

※「作用&反作用の働く局面」⇔「主体と客体の関係(性)が成り立つ局面」。

※さらに、患者が医者の存在を求めるのが「真の関係」となり、医者が(金欲しさに)患者の存在を求めるのが「偽の関係」となる。

※しかし、現実には、医者は患者を薬漬けにしたり、食い物にしている。

※医者にとっては患者は病気のままでいてもらったほうが好都合である。そのために患者の健康状態を「寛解」のままにしておく。

※「寛解」という観念は精神障害などについて観られる。つまるところ「障害」とは治らない(とされる)症状であり、精神障害者とは医者にとっては「半永久的にカモれる相手・存在」である。

※したがって「治らない(とされる)症状(=障害)」のために薬を処方して医療点数を稼ぐ行為は、本来不当であり、その行為自体「ナンセンス」である。

ここで、事の始めに、医者(a)と患者(b)の存在は元々が互いに「人間」という存在(者)であり、医者と患者はそれぞれの対極的な立場に分かれる以前には、互いに人間という存在だった訳です。

すなわち、原初に(a)と(b)は「人間」という集合を形成していました。しかし、その集合の内で病気を持つ者が現れ始めました。その存在(者)こそが「病人」(b)と認識されるようになったのです。

そして次第に、人間達(=元の集合全体)は病人を治療する必要に迫られるようになり、集団(=集団)内から医療を志す者(a)が現れ始めます。

これにより、病人は医療を志す者に治療されるようになります。(a)は(b)に治療を施します。そこで始めて、(b)は「患者」となり、かつ、(a)は「医者」となります。

すなわち、この事が、医療における「医者」(a)と「患者」(b)の関係(性)の構築なのです。これが集合(=集団)内における「二項対立」の成立・形成です。

終わりに、まとめると、集合(=集団)内における二項対立の成立・形成とは、「作用&反作用(≒原因&結果)の法則」と「主体&客体の関係(性)」があること。すなわち、その集合(=集団)内において、必要から立場・役割の違いが起こることです。