集合(その考え方と応用)④

初めに、今回は'空集合'について述べていきたいと思います。

空集合(=∅)とは、ある二つの集合A,Bがあるとして、この二つの集合の間に共通の要素(=積)がないということを表します。

しかし、本来、集合とは、(少なくとも、)その内に要素を二つ以上持っていなければならないでしょう。

なぜならば、要素が一つしかないのであれば、それは"モノを集合させたことにはなりませんし"、要素の数がゼロともなればなおさらです。

したがって、二つの集合の間で共通の要素が見つからないばあいは、単に「空」とかいってあらわさないと適切ではないでしょう。

では、現代の数学のなにが間違っているのかといえば、空集合という要素を二つ以上持たない集合についても、これをさも要素という実体を持つ(伴う)かのように表現していることでしょう。

おそらくは、"集合演算の結果は必ず集合にならなければならない"、という前提というか、信念みたいなものがあるからだと、わたし(筆者個人)はそう思っています。

しかし、(繰り返しになりますが、)空集合というのは、そもそも二つ以上の要素という実体を持たない(伴わない)ことから、(わたしは)集合とは見なしません。

ここで、集合とはあくまでも、二つ以上の要素が寄り集まってできたものですから、集合という括りや囲いがはじめにあるものではないのです。

最後に、現代の数学は、ここを勘違いしていると思います。

※では、関係データベースの場合はどうなのかというと、やはり、(わたしは、)二つ以上のレコードが登録されてはじめてそれを集合と見なせるという立場・見解です。

※したがって、(少なくとも、)二つ以上のレコードを持たないデータベースは、"それ全体としては集合をなさない"、ということです。

※この問題は、'砂山の理論'に近いものがあると思います。つまりは、"砂山は(その)一粒からスタートしたのか、それともある程度の量が集積されてから砂山になったのか"、という考え方です。

※わたしは、これについては、二つ以上あるいはある程度の量や規模になってから、砂山になったのだと考えます。

※ただし、いくつの砂粒が集まってから砂山になったのかについては、人それぞれの主観や価値観もあっていいと思います。

※では、(少なくとも)二つ以上のレコードが登録されていないデータベースを(今後)なんと呼べばいいのか、という問題も(必然的に)起こりますが、これについては、わたしは、「空のデータベース」とか、(もっといえば)「データベース以前のモノ」と呼ぶしかないと思います。