精神的・心理的作用とメンタルブロック②

初めに、'精神的・心理的作用'とは、自己と他者の二者間で起こる気持ちや感情といったもののやりとりのことでした。

ここで問題となるのは、自己の持ち物ではない(現実的に)好ましくない感情を他者から押し付けられるということが起こりえるということです。

これは、社会的立場の強い者がその反対の弱い者をストレス等のはけ口にすることが挙げられます。

これ以外にも、心無い者が、精神的・心理的に弱っている人の心を突いて攻撃することなどもあり得ます。

ここからが本題ですが、(世の中の多くの人は、)他人が自分よりもいい目に会っている、または、他人が自分よりも高みに昇ってゆくことを良しとしません。

そこで、世の中の人は、(多くの場合に)他人に嫉妬して、他人の足を引っ張ったり、なんらかの妨害工作を企てたりします。

この時、不特定の他人から嫉妬を受ける人は、"世の中のメンタルブロックに遮られている"、といえます。

このメンタルブロックとは、誰の心にもあるもので、それは、(今ある現実に対して)現状維持を図ろうとする心の動き・働きであったり、自己肯定(=高揚感や多幸感などを感じている状態)を否定されるのを回避したりする動き・働きのことです。

つまりは、(自分の知らないところで、)"他者に置いて行かれる"、"他者に出し抜かれる"、ということは、(他者の行為や存在自体が)自分の利益や幸福追求の障害になるという認識がまずそこに立っており、それを現実から排除しようとする無意識層の表れともいえます。

最後に、このことからも、人間というのは、精神・心理的な観点からも、現実社会的な観点からも、常に相互監視や暗黙の協定・了解ということを前提とする生き物だということがわかります。

※ちなみに、(ある集団内で、)相互監視や暗黙の協定・了解というものがあるということは、つまるところ、(その集団内においては、)個々人の間に強い依存的な関係があるということになるでしょう。

※それは'一方的な依存'と、'相互的な依存'に分けられます。