実体の存在状態と集合

初めに、モノを実体とすると、その実体には必ずや存在状態というものがあります。

たとえば「一人の人間」という実体には、必ずや性別が伴います。

これは、一人の人間という実体が一つの集合をなしており、その集合の内に、男性と女性などの潜在的な状態(=性別)があるからです。

そして、人間が生まれたときに、その状態(=性別)が決定・確定するということなのです。

つまりは、どのような人間にも、この世に生まれる以前には、(少なくとも、身体的・肉体的な)性別は不定のものであり、これは人間が生まれる(=この世での実体が生成される)タイミングで、生理学的なメカニズムによって決定・確定されるということなのです。

ここで一つ面白いのは、実体が集合をなしている、あるいは実体と集合が一対一対応するということです。

それというのは、ある実体には、必ずや、なんらかの存在状態(ここでは性別)を持っている(=「男性」と「女性」などの複数の存在状態が同居している)のです。

したがって、実体の存在状態を決定・確定するというのは、すなわち、(実体と対応する)集合の内にある任意の要素を、その集合の代表とするということなのです。

※会社などの企業組織においては、経営層がその組織(体)の代表となるということと同義である。

ここで、例えば、イルミナティーという秘密結社はどのような団体や組織にも潜入できるといわれていますが、フリーメイソンイルミナティーの構成員が潜入していき、やがては、フリーメイソンに元々所属していたメンバーよりもイルミナティーから送り込まれたメンバーのほうが多くなった際には、当然にして、団体・組織内の議決権はイルミナティーが掌握したことになる訳ですし、元の団体・組織のカラーも塗り替えられてしまいます。

つまりは、フリーメイソンイルミナティーに乗っ取られて、実質的に、かつ実態的には、元のフリーメイソンという団体・組織は「イルミナティーの別名」に成り下がってしまうということです。

終わりに、まとめると、ある集合内において、その過半数を占める要素がその集合の代表として成立し、さらには、元の集合に含まれる全ての要素が共通の属性を持つ際には、その集合全体の属性と、それらの要素群の持つ属性が同一視されるということです。