なぜ無でなくて有か?(存在と非-存在の関係性)

初めに、「なぜ無でなくて有か?(存在と非-存在の関係性)」について述べていきたいと思います。

まず、この問題を二項対立的に捉えると、(物事の真理の上では、)「有(=存在)」と「無=非-存在」が同時になければならないとなります。すなわち、「無があるから有もあり 有があるから無もある」ということです。

したがって、なぜ、この世界や宇宙が現にあるのかというと、この世界や宇宙に先立って、有と無が二項対立しているという真理があるからこそ、この世界や宇宙は実在しているといえます。

※この世界や宇宙の内側が有であり、その外側が無となります。

神でさえも、このルールを曲げることはできません。神の力や存在はある意味で、このルールの上で認められるものです。なぜならば、真理こそが神の存在の基盤となっているからです。

※たとえば、「1+1=2」などの自明な真理については神でさえも覆すことはできないでしょう・・・。

※わたし(筆者個人)は、「真理とは不滅不生のものであり  (神自身をも含む)すべての存在の基盤である」。また、「神自身の存在も 真理の上では必然的に要請されたゆえに神も実在した」と考えます。

最後に、私達人間にとっては、「現にあることからは逃れられないし、現にある以上は 無(≒死)はそこにない」とも言えますね。

※つまりは、現に今を生きている人間にとって、無について思慮するとは、(一種)「夢想のようなもの」で、その存在が有の状態にある時には、無について感得することはできないということです。