完全なる無

はじめに、この世界や宇宙の始まりは、"完全なる無"だったのでしょうか?。それとも既に何かがあったのでしょうか?。

先に結論を言ってしまえば、この世界や宇宙の始めには、世界・宇宙の仕組みないし枠組みがあり、それ以前には神がいました。

※このことについては、今回とは別の記事『神の実在証明』でも述べました。

※もしも、神と、世界・宇宙の仕組み・枠組みの存在を否定するのならば、(ライプニッツが提出した二つの問いである)①「なぜ、無でなくて有なのか?」=「なぜ、この世界や宇宙(ひいては我々人間)はある(いる)のか?」、②「なぜ、様々な有の中で、この有なのか?」=「なぜ、この世界や宇宙は、今ある様にして(この様に)あるのか?」といった問いには答えられません。

※したがって、"完全なる無"などという観念は、(厳密には)存立しえないことになります。

この世界や宇宙は無から生じた、(あるいは無が有に転じた)結果として、今この世界・宇宙があるということです。

ただし、完全なる無からは何も生じることはできないので、この世界や宇宙以前には神があった(いた)ということになります。

つまりは、神こそが、(全ての物事についての)第一の原因であり、究極の原因であるということです。

※では、"神は、どこから生じたのか?"といえば、この問いこそがナンセンスです。なぜならば、神の定義の内に、"(神自身を除く)全ての物事についての第一の原因であり、究極の原因"である、が含まれるからでしょう。それに、神はそもそも、はじめから完全・完璧な存在なので、生成・化育(あるいは誕生・成長)というプロセスを経ないのです。

ではなぜ、"神があった(いた)のか?"という問いに対しては一定の解答が与えられると思います。それについては、『有と無(存在と非-存在)』でも述べましたが、常に高い次元から観れば、無に対して有のほうが優越するからでしょう。

つまりは、なぜ、全ての物事(=この世界や宇宙、はたまた自然や我々人間と言った森羅万象)は実在するのかといえば、それらが無であるよりも有であった方が(=ないよりもあったほうが、)極々自然なこと(あるいは、必然)だったからではないでしょうか・・・。