定性分析と定量分析(文系と理系の関係)

初めに、今回は「定性分析と定量分析(文系と理系の関係)」について書いていきたいと思います。

ここで、「定性分析」とは、自然現象や社会現象のメカニズムについて、その「性質」に着目して分析すること。あるいは、ある物事の法則や規則を「日常の言葉」によって表現して説明すること。

上に対して、「定量分析」とは、自然現象や社会現象のメカニズムについて、その「数量」に着目して分析すること。あるいは、ある物事の法則や規則を「数学の言葉」によって表現して説明すること。

簡単に言ってしまえば、前者は「文系的」な仕事であり、後者は「理系的」な仕事となります。

しかし、問題や課題の分析に際しては、定性分析と定量分析の両方が必要になることから、両者の関係や能力は、本来、同質であり、その根っこは同じはずです。

つまり、凡そ、人間の持つ能力というのは「文理」の両方の総合点(あるいは、掛け合わせ)だということですね。

ただし、いわゆる「文系」の能力が、「理系」の能力に先んじていることは、意外と知られていないのではないでしょうか?。

ではなぜ、文系が理系に先んじてあるのかというと、我々人間は肉体的な感覚を通してしか、物事を把握できないからであり、その物事を数量でもって表すことは、前者の後だからです。

※文系とは、いわば「感性の学問」であり、人間の持つ感覚を最大限に生かして、物事の全容をなるだけ、(自然な)日常の言葉でもって表現して、これを他者に説明することが求められるのでした・・・。

※実際「数や定理の発見」(=数学および定量分析の手法の確立)は、人間が自然言語を獲得した後のことですし・・・。

ただし、このことを以て、「文系人間」が「理系人間」よりも偉いことにはなりません・・・。

なぜならば、あくまでも、文系能力の獲得の次に求められるのが理系能力の獲得であり、文系能力だけしかない人間に比べて、理系能力をも獲得した人間のほうが市場価値が高いと観るのが妥当だからです。

※実際、数学者や数学的な知識や教養を持っている人間のほうが、国際平均で年収が高いことがデータで示されていますしね・・・。

最後に、文系能力が理系能力よりも、その発達・獲得においては先んじている。しかし、どちらがより高度か(=ハイレヴェルか)でいえば、後者のほうに軍配が上がるという話でした・・・。

※一般に、高校・大学入試などの問題を見てみれば、文系問題よりも、理系問題のほうが、(ずっと)高い理解力を求められることが分かりますよね。