存在の定義②(神の存在とは)

初めに、今回は、「存在の定義②(神の存在とは)」について述べていきたいと思います。

ここで、すべての存在は、1「無為・自然的な存在(=非道具的な存在)」と、2「有為・反自然的な存在(=道具的な存在)」に分けられるのでした。

ここで、前者1には、その存在の理由や目的がないことから、前者1が後者2に対して優位であり、前者1が後者2を生み出した、あるいは造り出したことはお分かりになるかと思います。

※その存在に理由や目的があるのならば、他者の存在に使役・服従することになってしまうので、必然的に、1が2に先んじていることになります。

※なぜならば、存在の理由や目的とは、1によってもたらされるものだからです。

したがって、(原理的にいって、)その存在が、自らの存在の理由や目的を定めることはできないのですね。

※あくまでも、(自らの存在の)理由や目的は「発見したり、再認識する」ことしかできないということになります。

では、「神」は、完全な前者1なのかというと、神には意志(=なんらかの目的を達成せんとする意識の働き)があり、この世界や宇宙の「推進者」でもあるので、完全な1とはなりえません。では、神は完全な後者2なのかというと、これも正しくありません。

では一体なにが正しいのかといえば、やはり、ここにも「二項対立」や「二項両立(=二律背反)」が顔を出してきます。

というのも、当の神自身も、前者1と後者2の顔の両方を持ち合わせているからです。

最後に、神は、ある時は、この世界や宇宙の「支配者(=前者1)」であり、別のときは、この世界や宇宙の「推進者(=後者2)」でもあるのですから・・・。