不合理と偶然性の正体①(「乱択」という問題)

初めに、今回は、「不合理と偶然性の正体」について述べていきたいと思います。

ここで、同形・同色・同量・同大のもの、たとえばリンゴの山があるとします。

このリンゴの山を構成している一つ一つのリンゴの間には差異がないものとします。

※現実には、こういった事例はたくさんあります。たとえば、「パソコンなどの家電類(=マスープロダクト)」、「企業から見た顧客の優先度」等・・・。

※すべての条件で横並びの存在というものは現実には沢山ありますね。

これらのリンゴの中から、一つの優良なものを選び取らなければならないとき、これらのリンゴの間で有意な差が認められないばあいには、一体なにを基準にものを選べばよいのでしょうか?・・・。

答えを言えば、それはものを"ランダムに選ばざるを得ない"となります。なぜならば、(この場合には、)リンゴの山の中の一つ一つのリンゴの間には、有意な差は認められないのですから、恣意的かつ無作為に選ばざるを得なくなります。

※これがアトランダムに物事を選択する(=乱択)の問題になります。

このとき、リンゴの山の中にある個々のリンゴの大部分が腐っている、あるいは痛みかけているとすると、その中から優良な品質あるいは鮮度の良いものを選び取るのは非常に簡単ですが、どれもが同じような品質と鮮度であれば、選者は頭を悩ますでしょう・・・。

ここで、(ある種の)「不合理と偶然性」が生まれます。たとえば、すべてのリンゴが品質と鮮度において、優劣の関係が認められる(序列や優先度をつけられる)のならば、それは必然的に選者は合理的な選択が可能となります。

しかし、先述したとおり、そのどれもが変わり映えしないものだったらどうでしょう?。その際には、恣意的かつ無作為に(目をつむるなどして)選ぶしかありませんね。

わたし(筆者個人)は、これが「不合理と偶然性の正体」だと考えます。

現実の(実に)切実な問題を挙げれば、社会での男性グループを構成している男性諸氏が、すべて横並びの存在(=容姿・年齢・身長・体格・年収・学歴・経歴・気質・性格・・・etcの面で似通っている)だとしたら、一体(世の)女性はなにを基準に生涯のパートナーを選べばよいのでしょうか?。

※これは、もう選択に迷って選択を保留するか、いっそ拒絶してしまうかもしれませんね・・・(笑)。

こういった「選択の問題」においては、パートナーを一度決めたその後に何が待っているかを予測・予想するのが難しいがゆえに、選者自身がその選択にどういう意味を持たせるかが大事になってきます。

※つまりは、選択とは「意志の問題」だということもできますね。

※与えられた材料をどう料理するのかは、料理人の腕次第だということです・・・(笑)。

最後に、「不合理と偶然性」とは、"物事を無作為かつ恣意的に選び取る"ということでした。

※すべての物事に序列や優先度をつけられる、あるいは物事の先が見通せるのなら、だれもが(こぞって)合理的で必然的な選択をするでしょう・・・。