不合理と偶然性の正体③(量子力学の本質)

初めに、今回は、「不合理と偶然性の正体(量子力学の本質)」について述べていきたいと思います。

(現実における)物事の選択や決定については、どうしても不合理や偶然性がつきまとうということについては以前の記事で述べさせていただきました。

ここで、あらゆる物質の構成要素である原子に含まれる、原子核の周囲を絶えず運動している電子の状態は確率的にしか決定できません。

※これを、「量子状態」と呼びます。

なぜそうなっているのかというと、原子核の周囲を運動している電子の軌道の上のどの位置にも「順序」や「優劣」がないからです。

※重要なのは、電子が物理学的なエナジーを持っている以上、電子は絶えず運動せざるを得ないという事実であり、電子は周回軌道の上であれば、どの位置で発見されてもいいからですね。

したがって、電子の位置は確率的にしか決められないし、確率的にしか観測できないということです。

この問題は、本質的には「乱択」の問題と同義です。

リンゴの山から一つのリンゴを選ぶことは、突き詰めれば、どのリンゴを選んでも同じなのですから、当然にして、電子の発見される位置もどこでもいいということになりますね。

アインシュタインは、"神はサイコロを振らない"といったそうですが、現実には、(やはり、)神はサイコロを振っているようです。

最後に、「選択」と「決定」の問題には、必ずといっていいほど、不合理や偶然性がつきまとってくるということでした。