悪魔の証明(その困難さ)

初めに、今回は、「悪魔の証明(その困難さ)」について述べていきたいと思います。

ここで、「悪魔の証明」の一例を挙げてみます。

たとえば、世の中には、「白いカラスもいる」というものです。

もしも、世の中に白いカラスが一匹でもいたら、「カラスはすべて黒い」という全称命題は崩れます。

この証明では、(地球上に生息している)カラスの内、たった一匹でも「白い個体(=アルビノ)」を見つけられたら、証明は完了です。

しかし、人間がたまたま白いカラスに遭遇、あるいは、これを目撃する確率は極めて低いので、徹底して大規模な捜索・探索をしない限り、証明はできません。

ですが、地球上のすべてのカラスの全数調査ができない限りは、(原理上では、)この証明は終わりません。

※たまたまでも、たった一匹の白いカラスを発見できればよいのですが、よほど運がよくない限り、見つけることは至難の業といえます。

終わりに、しかし、この証明は決して不可能というものではなく、その本質は、確率的に難しい(=極めて低い生起確率の事象を発見しなければならないという困難さがつきまとう)ということになりますね。

※あるいは、カラスのDNAを操作して、意図的に(あくまでも、人工的な)「白いカラス」を作り出すことができれば、それでも証明は完了します。

※つまりは、自然界に偶然に発生した個体を、人間が偶然に発見するということの困難さをクリアしてしまうということです。

※この方法は、実に「演繹的」といえますね。

※ただし、元の命題が「自然界にいるカラス(=野生の個体)は、そのすべてが黒いか?」であれば、この方法は無効ですが・・・。