ヒルベルトの無限ホテルの誤謬(無限についての誤解)

初めに、この問題の第一は、'無限の客室のあるホテル'を規定できないこと。また第二に、'無限の客の存在'も規定できないことが挙げられます。

したがって、"無限ホテルに無限の客が入る"ということ自体、規定不可能です。

ここで、無限ホテルの客室と無限の客が一対一対応していることを以て、"無限ホテルが満室になっている"という前提がおかしいです。

無限ホテルなのに満室になるということは、そのホテルは無限でないことが成り立ちますし、同時に、ホテルに空室があることを以て、客が無限でないことも成り立ちます。

※ちょっと考えてみればわかりますよね?(笑)。

そもそも、'無限'とは一つの観念であって、(具体的な)数や値のことではありません。

したがって、これを数え上げることなどはできませんので、'可算無限'という観念自体が間違い・誤りなのです。

また、無限ホテルには、無限に続く奇数番の客室と、無限に続く偶数番の客室とがあって、元の集合である無限ホテルの大きさ(=部屋数)と、奇数番と偶数番それぞれの大きさ(=部屋数)が等しくなるというロジックも決定的な間違い・誤りです。

ヒルベルトの言わんとしていることは、元の無限ホテルは無限の大きさがあって、その部分集合である、奇数番の部屋と偶数番の部屋それぞれも無限の大きさがあるから、元の集合の内に、その大きさと等しい部分集合がある、ということになります。

なぜならば、無限の本質とは、(なんらかの対象について、)その数や量(あるいは値)を規定しないことだからです。

規定しないことについて世に議論を吹っかけるのはナンセンスだということです(笑)。

ここで、初めの問題を正しく設定してやると、こうなります。

1"初めに、部屋数が無限大のホテルに、無限大の客が入っている"。

2"そのホテルには奇数番の部屋と偶数番の部屋があって、どちらも無限に延伸できる(=数を増やせる)。

3"そのホテルの部屋の総数は、必ずや、奇数番の部屋と偶数番の部屋の合計となる"。

以上、この3つの条件に従えば、必ず、元の集合は、その内にそれよりは小さい部分集合を含むことになります。

最後に、元の集合と、その部分集合が等しい大きさを持つということ自体、ふつうに考えれば、おかしいことがすぐにわかります。これは明らかな論理の破綻です(笑)。

※くどいようですが、まず無限の観念についての理解が足りないといえましょう(笑)。