時間の存在③(その謎と本質)

初めに、今回は、「時間の存在③(その謎と本質)」について述べていきたいと思います。

ここで、この宇宙の時間(≒時計)は、(大きく分けて)二つあるのでした。

それは、「絶対時間(≒絶対時計)」と「相対時間(≒相対時計)」です。

この宇宙の始まりには、前者の「絶対時間(≒絶対時計)」だけがあったはずです。

なぜならば、この宇宙の初期(=インフレーションやビッグバンの起った時期)には、宇宙は人間の想像を超えるほどの超高温・超高密度な状態で、その重力場は非常に安定していたものと思われるからです。

※しかも、初期の宇宙の大きさは、「点に近いもの(=極小の空間)」だったとか・・・。

したがって、その宇宙に流れる時間は単一の絶対的な時間であったはずなのです。

それが、インフレーションやビッグバンが起こったことによって、宇宙の内側にエナジーや質量の偏りが発生しました。

※正確には、「特異点の問題」を回避しなければならないために、この宇宙では初めからインフレーションやビッグバンが起こっていたと考えるほうが自然で妥当です。

※つまりは、筆者個人は、この宇宙は、「(完全な)無から生じた」とか、「量子揺らぎから始まった」のではなくて、その初めから「(ある程度の)有だった」と考えます。

※もしも、以前書いてアップした記事の内容と齟齬や矛盾があったらゴメンなさい(笑)。

これにより、宇宙全体の安定していた重力場が乱れて、宇宙の各所・各領域において、その重力の強さや加速度の大きさに応じる格好で、その場に固有の時間(≒時計)が発生したのでしょうね。

これが、「相対時間(≒相対時計)」なのですね。

さらに、この宇宙はいずれ「熱的平衡(=熱的死)」の状態となり、あらゆる生命や星々は無残にも散り散りとなって(=宇宙全体の物質密度が極めて均一で希薄となって)、宇宙にあるあらゆる物質や物体の運動が(ほとんど)意味をなさなくなることが分かっています。

ここで、時間は有限であるので、いずれは宇宙の時間は止まってしまうのでしょうが、恐らくは、この宇宙は、この熱的平衡の状態に達したときにその進行を止めてしまうのでしょう・・・。

※時間が有限でなければ(=無限であれば)、「時間の経過」や「現在という観念」さえも成り立たなくなってしまいますから・・・。

最後に、したがって、宇宙全体の時間(=絶対時間)というものは確かにあるのでしょうね。それは、宇宙全体の時間に限りがある(=寿命がある)ということは、いくら個々の場所や領域に寿命が残されていても、「(全体としては)死に至っている」といえるからです。

※例えば、人間の死になぞらえていえば、個々の臓器が機能していても、脳そのものが機能停止していれば、「その人間は死亡している」と見なすのに似ていますね・・・。