戸籍という仕組みの本質(互いの所有・占有権の主張)

初めに、今回は、「戸籍という仕組みの本質(互いの所有・占有権の主張)」について述べていきたいと思います。

ここで、一組のカップルや夫婦がいるとします。

このカップルや夫婦の男女双方が、互いに相手を所有・占有しているという宣言を同時にするとある問題が発生します。

それは、パートナー同士が互いに相手を所有・占有しているというパラドックスです。

男性側からして、(反対に、)女性側からしても、互いに相手の存在は、自分の所有・占有下にあるということになり、これは明らかな論理の破綻を呼び込みます。

このことをを命題に落とし込むとこうなります。

命題:「AはBを所有(占有)し、(同時に、)BはAを所有(占有)する」。

※ここで、人間が人間を「占有する」とは、相手を支配・管理下に置いたり、相手の存在を持ち物のように扱うことです。(誤解を恐れずに言えば、)つまりは、「一方が支配者であり 他方が被支配者である」という関係になるということですね・・・。

つまりは、前掲の命題はそもそも命題として成り立たないということです。

※これは、「(擬)命題」とでも呼べばいいのでしょうか・・・?。

最後に、男女双方が相手への所有・占有権を主張し出すと、権利の衝突が発生してしまいます。恐らく、結婚・婚姻によって男女どちらかが相手の戸籍に入るという社会システムはこういった問題や混乱を避けるために作り出されたものなのかもしれませんね・・・。

※「新戸籍の編製」においても、この所有・占有の観念はついて回ります。例えば、(多くの場合に、)女性側(=妻側)が男性側(=夫側)の姓を名乗ることからもわかります。

※勿論、逆も可能です。

※「C」というプログラミング言語上でも同様の問題が起きます。

※互いに婚姻関係にある男女を模した構造体を作る際に、一方を「タグ宣言」することで、この衝突の問題は避けられます。