集合(その考え方と応用)①

初めに、今回は'集合(の考え方)'について述べていきたいと思います。

ここで、集合に含まれる要素が空(=要素が1個もない)の場合については、これを現実に例えれば、オープン前のカーディーラーのようなものです。カーディーラー(=店頭)には、(当然にして、)はじめはなにも置かれていません。

※話の前提として、ここに出てくる'カーディーラー'とは、"スポーツカー専門のお店"とします。

次に、集合に含まれる要素が1個(=単一)の場合については、全称である「スポーツカー」と名付けることもことできますし、その集合にポルシェのみが含まれるのならば(=実際に店頭に置かれているのがポルシェのみであるのならば)、特称である「ポルシェ」と名付けることもできます。

また次に、集合に含まれる要素が2個以上(=複数)の場合については、全称である「スポーツカー」と名付けることもことできますし、その集合にポルシェとフェラーリなどが含まれるのならば、特称である「ポルシェ&フェラーリ・・・etc」と名付けることもできます。

※'集合全体の名称'としては、その集合に含まれる(一部の)要素を代表としています。

※(今さらですが、)集合につけられる名称は、いわば、'名札やラベル'のようなものです。したがって、該当するその集合に含まれる要素の名称を、(絶対的に)採用しなければならないという訳ではありません。

※(ある任意の)集合に含まれる要素の名称を(すべて)列挙して、これを表示するのでは、それを見る人には(わかりにくくて、)不親切でしょうから、特定の要素(あるいはその組合せ)を代表とするのです。

最後に、日本の宗教である'華厳'では、"悪も善の内"、という考え・言葉があります。これは、(全体として)2個の要素を含む集合のうち、(その集合全体で)善を代表とするというものです。

※言葉の意味としては、"悪とは、善の(本来とは)異なる顔・側面である"、"善の一時の(あるいは仮の)表出・表現"ということです。

※華厳の例えでもわかる通り、'二項対立するもの同士'は、一つの集合を形成します。さらにいえば、対立する二者のうちの一方が他方の代表をする場合については、(集合全体を)代表するその一方が(形式上の)'優位'となり、(当然にして、)他方は'劣位'となります。

※華厳の例えは、'ヘーゲル弁証法'をご存じの方なら、(すんなりと)理解していただけるかと思います・・・。