心の在り処(精神の世界)

はじめに、我々人間は、日々様々な感情に突き動かされています。

その感情は心に働きかけてきて、我々の心を動かしています。

このことからも、心(をも含めた精神全体)は確実に実在しています。

ただし、心とは、物理的に触れられるものではなく、

また、空間上に一定の場所を占めるものでもないので、

ついつい人は心の実在を否定してしまいがちです。

※このことについては、池田晶子氏も同様のことを述べています。

しかし、既に述べた通りに、人間は肉体のみの存在でないことは明白であり、

我々人間に心がある以上は、それを包括した精神も実在するはずです。

そして、互いに対話することも、意志の疎通を図ることも可能であるならば、

互いに心と心が結びつき、心の交流する'場'が日々発生しているはずです。

したがって、この世界や宇宙は、物理的・肉体的な次元・側面だけでなく、

反物理的・精神的な次元・側面をも併せ持っているということです。

そして、この世界や宇宙に心の交流する場のあるということは、

(心をも含めた)'精神の世界'が実在することに他ならないのです。

※ドイツの哲学者マルクス・ガブリエルは、'意味の場'が実在すると言っていますが、

わたしの考える心の交流する場とは、より広義の場のことで、これを内包しています。

※精確には、"心の交流する場が、意味の場を内包している"のでなく、

心の交流する場に引き合いに出されるのが'言葉の意味'といった程度のことです。

おわりに、この世界や宇宙は、どうやら我々人間が考えている以上に複雑なようです。