実体同士の関係(因果と相関)

はじめに、ここでいう'実体'とは、哲学的ないし現実的に浮かび上がるものを指します。

実体同士の関係について言えば、その実体同士は互いに(ある種の)関係を結び、その実体の取りうる状態が、相手の実体と互いに干渉や影響し合い、環境からの(干渉や影響)によって互いに変化してゆくということとなります。これは実体同士の間で(相互あるいは一方的に)作用が起こることといってもいいでしょう。

 ※あくまでも、その実体同士の間に、なんらかの結びつきないし関連があるということが前提となります。たとえば、その実体同士が物理的に近い場所にあるとか、(その実体同士が)人間であれば、言葉や表情などによる意志の疎通や交流があるということです。

ここで、関係する実体同士の変化のパターンについて、(網羅的に)述べていきたいと思います。

①一方の状態変化が、他方にも及ぶパターン。一方の状態変化が他方の状態変化を引き起こすとういうことです。時系列上では、Aの変化が起こる、次いでBの変化が(連続的に)起こるということで、これは(ある種の)'因果関係'です。

②一方と他方の状態変化が同時に起こるパターン。時系列上では、A・B共に(同時に)変化が起こるということで、これは(ある種の)'相関関係'です。

※①因果関係については、たとえば、経済学における"投資と所得の関係"がそれに該当します。つまりは、投資と所得のどちらか一方が増えれば、他方も増えてゆくということです。

※②相関関係については、たとえば、経済学における"消費と支出の関係"がそれに該当します。つまりは、どちらか一方の額が(ほぼそのまま)他方の額となるということです。

※ここでは、経済学の概念を用いましたが、これは論理的な構造上で関連があるというこです。

おわりに、以上のことをまとめると、実体同士には、①因果関係と②相関関係の二つがあるということでした。

※互いになんらの干渉も影響もない(=作用のない)関係というのもありますが、これは、実体同士が物理的に離れているとか、なんらかの交流が行われていないということです。