エーテル(=光素)の存在(「時空」と「量子の場」の謎)

初めに、「エーテル(=光素)」とは、この宇宙に遍満していて、空間を一様に満たしている「光の媒質」のことです。

※マイケルソン&モーリーの実験や、アインシュタイン特殊相対性理論によって、その存在が否定された。

ここで、「光が波であるのなら 必ずやその媒質となる存在がある」というのが当初の主張・考えです。

ただし、光には質量がありませんので、水面に生じる波のように、水分子といった(質量を伴う)物質が媒介となっている訳ではありません。

場の量子論によれば、この宇宙の空間のいたるところには、(最小単位の空間である「場」に)「バネのようなもの」があり、これが振動することで、あらゆる素粒子が発現するとのことです。

※具体的には、すべての場に備わっているバネのようなものの振動の仕方(=振動の強度や周波数)によって発現する素粒子の強さと種類が決まる。

素粒子には、大きく分けて、ボース粒子とフェルミ粒子とがある。ボース粒子は、力やエネルギーを伝える、または物質に質量をもたらす役割を担っています。フェルミ粒子は、物質を形作る役割を担っている。

※「場の量子論」によって、現在の素粒子の「標準模型」が作られた。

ここで、場の振動の強度によって、(その場に)発現する素粒子の強さが決まり、場の振動の周波数によって、(その場に)発現する素粒子の種類が決まるのです。

※ボルンの主張・考えによれば、その素粒子の現れる位置は、(確率的になっていて、)より確率密度の高い位置にこそ素粒子は発現するが、これは無数にある場の間で振動が伝わって(全体として)波となり、その波の高くなる場に素粒子が姿を見せるということになる。つまりは、(ここでいう)「波の高さ」こそが確率密度と対応している。

※さらに言えば、無数にある場の間で伝わる波は互いに干渉・影響し合い、波が重なって強くなる(=強め合う)場と、逆に、波が重なって弱くなる(=弱め合う)場がある。波が強くなる場では素粒子の発現頻度もしくは出現する確率が高くなる。逆に、波が弱くなる場では素粒子の発現頻度もしくは出現する確率が低くなる。

ここで、(わたしが考えるに、)素粒子のうちボース粒子とフェルミ粒子とでは、この宇宙に存在する仕方が異なっていて、それぞれは互いに干渉・影響し合う関係の「層」にあって、それぞれが固有の層にあります。

※ボース粒子は「力やエナジーの層」にあり、フェルミ粒子は「物質の層」にあるという考え方。

※この二つの異なる層が、(常に)互いに干渉・影響し合うことによって、すべての物理現象が起こっているということ。

終わりに、まとめると、時空と量子の場が一体のものであることがわかります。時空と量子の場が一体であるということは、(少なくとも、)量子の場(≒この宇宙のあらゆる空間)こそが「光の媒介」だということは言えるでしょう。

※光はブラックホールなどの高密度・高質量の天体の周囲では、その軌道を曲げることが知られているが、これは時空、即ち、量子の場同士の連結も撓むないし歪むからである。