精神的な現象(意識、その発露)

初めに、(今回は、)以前上げた記事『意識の仕組みと構造』では述べられなかった、あるいは、これと関連のありそうな内容について述べていきたいと思います。

ここで、意識の構成要素である"①自我・②自己・③性格・④人格"について述べていきたいと思います。

①'自我'とは、衝動や欲求と、(意志において規定される)規則や規範の間で揺れ動く、あるいはこれらの間で調停される(自分自身の)心です。または、(自分自身が思う)自分自身の在り様ないし在り方のことです。'アイデンティティー'とも呼ばれます。さらに自我は、魂と心で構成されています。

②'自己'とは、自分自身が他者(=もっと広く言えば'社会全体')との関わりにおいて、他者との関係に基づいて導かれる、(あるいは見いだされる)自分自身の在り様ないし在り方のことです。または、他人から見た自分。「あなたって こうだよね?」という他者の思い込み、あるいは他者による評価(みたいなもの)。'パーソナリティー'とも呼ばれます。さらに自己は現実社会における(意識の内にある)自我の投影でもあります。

③'性格'とは、(その人が生まれ持った気質から生じる、)行動あるいは感情の傾向。(他者から観た)その人の(本来的な意味での)行動的ないし感情的な性質や振る舞い。その人の持つ先天的な人間的要素。

④'人格'とは、広義の性格。(性格をも含めた)その人の(極めて社会的な)行動あるいは感情の傾向。または、社会的に訓練あるいは鍛錬された度合い。人間的水準の高さ。その人の持つ後天的な人間的要素。

まとめると、①は、人間の意識の奥に潜んでいる、意識に深く立ち入ったものです。②は、①の社会的な投影あるいは社会的な像。

③と④は、人間の意識の外側に近い、より社会的な意識の側面と言えます。

※①と②の間では調停が図られます。つまりは、"自分の思う自分と、他人から見た自分との間の齟齬やアンバランスを解消する"、ということです。

※(③と④の関係について言えば、)③が確立されてから、次いで④が確立されます。