ダブルバインド(二重拘束)の原理

人間は、ある状況において、選択を迫られるとき、「はい」か「いいえ」かの二択を与えられます。

しかし、これはどちらを取っても、他者(=もっと広く言えば、この世界や宇宙)との関わり合いを意味し、その意味で、どちらを選択しても、その本質においては、選択を迫ってくる相手に縛られることとなります。

そこで、人間は、その選択を(無期限に)保留することができ、これにより、その選択を回避することができます。つまり、選択を迫ってくる相手を”待たせたり”、”はぐらかす”ということです。これは間接的に、相手の存在と選択を同時に否定ならびに拒絶する姿勢・態度です。しかし、この手・出方では、(時間を稼ぐことで、)選択を迫ってくる相手に諦めてもらうしかありませんので、消極策といえます。

もう一つ考えられる手・出方としては、その選択そのものを放棄してしまうことです。これは、自分自身に課されている義務から逃げることであり、自分自身に与えられている権利を手放すこととも言い換えられます。これは直接的に、相手の存在と選択を同時に否定ならびに拒絶する姿勢・態度です。これは、時間稼ぎの必要のない、それも相手にとっては、”ウンもスンもない”やり方ですので、積極策といえます。※その結果、相手に恨まれることも・・・。

先述した、'保留'と'放棄'は、どちらもその両方が相手を拒絶することですので、反対に、選択をするということは、「はい」と「いいえ」のどちらを選んでも、その本質においては、相手の存在と選択を受け入れることとなります。たとえば、この記事を読んでいるあなたが特定の異性から求婚・求愛されているとして、「いいえ」の選択をしたとしても、恋人やパートナーとしての相手を受けれいていないだけで、知人・友人等としての関係は持続されることとなるのです。したがって、本当の”絶縁や絶交”とは、その選択そのものを拒絶することなのです。このことが、(ほんとうの意味で、)相手との関係を絶つことなのです。※現実的に言えば、相手からの問いかけ・連絡にいちいち応じない。つまりは電話に出ない、音信不通とするなど・・・(笑)。